主の昇天 2023年5月21日

 マタイによる福音(マタイ 28・16-20)
 さて、十一人の弟子たちはガリラヤに行き、イエスが指示しておかれた山に登った。そして、イエスに会い、ひれ伏した。しかし、疑う者もいた。イエスは、近寄って来て言われた。「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」


今週のメッセージ
瑞浪教会 プルム・アーノルド 神父

先を見る

 愛岐道路を走って愛知県を超え岐阜県に入ったばかりの多治見を御存知でしょすか。そして、もっと先になりますが、多治見から土岐市の方に自動車で通う人のドライブは楽しいことだと思います。というのは、山も緑もよく見えるからです。春には新鮮な緑、秋には紅葉とともに、済んだ日に遠く中央アルプスが雪の白い頭で挨拶するように感じます。少し考えてみれば、それは「先を見る」ことを人に教えてくれるといえるでしょう。また、信仰心を持つ人には復活祭と復活節とをつながるものだと思うことができます。

 今日は復活節の終わりで、主の昇天を祝う日曜日です。それも先を見る祝日です。イエスは死にましたが、神なる父の愛と力で三日目に復活されました。「天に昇って、全能の父である神の右の座に着き...」と信仰宣言で信者は祈ります。これを大いに喜びたたえます。「アレルヤ」、それはご存知のように「主をたたえよう」という意味で、この神秘に関して最も適切な言葉です。

 イエスは典礼上で復活祭から40日目に昇天なさいました。実際、復活されたキリストは時間も空間もない世界に生きておられます。ですから、人間に少し理解できる方法で表します。40日間かかったのは弟子やわたしたちのため、驚嘆すべてき神秘を思い、不信仰から信仰に生きるようになり、そして信仰をあかししていくためです。

 時間も空間も超えておられる主キリストの、マタイによる福音書の最後におっしゃる言葉に心を止めましょう。それは、わたしたちには嬉しく、「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」(マタイ28章20節)の言葉です。また、イエスの誕生のお告げに関してマタイの福音の最初も、「共におられる」という言葉があります。『「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。 その名はインマヌエルと呼ばれる。」 この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。』(マタイ1章23節)マタイの福音の最初と最後の箇所に応えて、私たちはいつも共におられる主をほめ、たたえ、拝みます。「アレルヤ」!

 さらに大切なことは、キリストが弟子に信仰をあかしする使命を与えることです。信仰の内容は愛し合うこと、人を大切にすることです。それを果たすために、先を見ると共に、聖霊の働きのうちにあって、「今」を生きることは重要なものです。それは、地上のもの、天上のものに及ぶ目です。先に神の恵みを受け、祈りでこの世と天の世界を結ぶことです。同時に、ゆるしを知り、ゆるしを願い、ゆるしを寛大に与えつつ、平和を受け、平和をもたらす心で勤めを通して「今」人に優しい目を注ぐことです。

 復活され、天に昇られたキリストを信じ、先を見、今日を大切にしていきましょう。イエスを人のうちに見つけ、愛し合いましょう。

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