復活の主日 2023年4月9日

 ヨハネによる福音(ヨハネ20章1-9節)
週の初めの日、朝早く、まだ暗いうちに、マグダラのマリアは墓に行った。そして、墓から石が取りのけてあるのを見た。そこで、シモン・ペトロのところへ、また、イエスが愛しておられたもう一人の弟子のところへ走って行って彼らに告げた。「主が墓から取り去られました。どこに置かれているのか、わたしたちには分かりません。」そこで、ペトロとそのもう一人の弟子は、外に出て墓へ行った。二人は一緒に走ったが、もう一人の弟子の方が、ペトロより速く走って、先に墓に着いた。身をかがめて中をのぞくと、亜麻布が置いてあった。しかし、彼は中には入らなかった。続いて、シモン・ペトロも着いた。彼は墓に入り、亜麻布が置いてあるのを見た。イエスの頭を包んでいた覆いは、亜麻布と同じ所には置いてなく、離れた所に丸めてあった。それから、先に墓に着いたもう一人の弟子も入って来て、見て、信じた。イエスは必ず死者の中から復活されることになっているという聖書の言葉を、二人はまだ理解していなかったのである。


今週のメッセージ
押切・小牧・守山教会 鄭 有喆 神父

「みなさんは永遠の命がほしくないですか?」

 少し調べてみましたら、松本さんは1938年生まれでした。1938年。戦時中です。彼自身、「私は落ちた弾丸を拾いながら遊んだこともあり、戦場で銃に撃たれたこともある。そうした環境で「人は命が限られているから一生懸命に生きる」と考えるようになり、これを『銀河鉄道999』に反映した」と話しておられました。

 『銀河鉄道999』で鉄郎は結局機械の体になることを拒否します。松本さん本人も「機械の体になれるならなるか」という質問に、「絶対にならない」「限られた人生のために私たちは価値ある人生を生きる。時間は夢を裏切らない。そして価値ある人生のために夢も時間を裏切ってはならない」と話しておられました。

 今日私たちは復活祭を迎えておりますが、イエス様の復活についてのもっとも古い記録は、使徒パウロが書いたコリントの教会への第一の手紙15章にあります。

 「最も大切なこととして私があなたがたに伝えたのは、私も受けたものです。すなわち、キリストが、聖書に書いてあるとおり私たちの罪のために死んだこと、葬られたこと、また、聖書に書いてあるとおり三日目に復活したこと、ケファに現れ、その後十二人に現れたことです。」(15:3~5)

 イエス様が「死んだこと、葬られたこと、また、聖書に書いてあるとおり三日目に復活したこと」、これが一番大切なキリスト教のメッセージです。イエス様の死と復活。私たちが復活祭に限らず、毎週の日曜日のミサの中で唱える信仰宣言の中にもはっきりと出てきます。

 さらにパウロは続けて言います。「次いで、五百人以上もの兄弟たちに同時に現れました。そのうちの何人かは既に眠りについたにしろ、大部分は今なお生き残っています。次いで、ヤコブに現れ、その後すべての使徒に現れ、そして最後に、月足らずで生まれたような私にも現れました。」(15:6~8)

 その復活ということは2000年前に1回起こった出来事ではなく、今も続いている出来事です。今もイエス様は私たちと共にいてくださる。それが私たちの信仰です。それがキリスト教のメッセージの中心であって、私たちの信仰内容の中心でもあるわけです。

 ヘブライ人への手紙には、「兄弟たち、私たちは、イエスの血によって聖所に入れると確信しています。イエスは、垂れ幕、つまり、御自分の肉を通って、新しい生きた道を私たちのために開いてくださったのです(10:19~20)」という話があります。分かりにくい表現ですけれども、イエス様の血と肉によって、つまり十字架の死に至るイエス様の生涯によって、神様との完全な一致にいたる「新しい生きた道」が開かれたということです。

 「新しい生きた道」。復活祭を祝うとは、イエス様において、神と人・人と人とが一つになる「新しい生きた道が開かれた」ということを祝うことです。機械になっても永遠に生きることを祝うものでは決してないはずです。「新しい生きた道」。イエス様は肉体の死を超えて、神様のもとに行き、神様と一つになり、神様と共に永遠に生きるようになられました。それが「復活」ということです。復活祭に私たちは「洗礼の約束の更新」を行います。洗礼というのは、まさしく「新しい生きた道」を歩むということです。松本さんが言うように「限られた人生のために私たちは価値ある人生を生きる」。ヘブライ人への手紙が言うように「新しい生きた道」を歩む。限られた人生を、新しい生きた道へと進むことが出来るように願いながら洗礼の約束の更新を行いましょう。

 ご復活おめでとうございます。

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